着付けた状態をキープする
着物をきれいに着付けたら、できるだけその状態を保ち続けたいものですが、そのためには着物姿でいるときの立ち振る舞いに気をつけることが必要です。
着物を着たら、普段洋服を着ているときのように大きく足を広げて歩くことは難しくなりますので、小さな歩幅で歩くことになりますが、それでも着物の裾が乱れがちになります。
これを防ぐために、着物を着た後で出かける前には、足を肩幅程度に開いて、ひざを数回曲げたり伸ばしたりすることをして、裾を左右に開くような動作をします。
これは、裾割りと呼ばれている、着崩れを防ぐための動作なのです。
着物を着て歩くときには、小さな歩幅で歩くことはもちろんなのですが、だからといって早足で小刻みに歩くのではなく、小さな歩幅でもゆっくりとしたペースで歩くと、裾の着崩れが起きにくくなります。
背中の帯に重量感を感じたり、足元の履き慣れない草履が気になったりすることもあるかもしれませんが、まっすぐで良い姿勢を保って歩くということも、着崩れを防ぐことにつながります。
着物を着て電車に乗るときなどは、階段を上ったり下りたりする機会もあるかもしれません。
振袖で袖の丈が長いときには、袖を地面に擦ったり、足にからんだりしないように、左右の袖をまとめて片方の腕にかけておくと安心です。
階段で着物の裾を踏んで転んでしまうということがないように、着物の身頃脇を少し持ち上げてゆっくりと階段を上り下りすることが良いでしょう。
着物を着て、椅子に座るときには、後ろに帯結びがあるので、椅子の背もたれにしっかりと持たれて帯の膨らみをつぶしてしまわないように、椅子には浅めに座るように気をつけます。
また外出先で雨に遭ってしまったら、着物が濡れないような配慮も必要です。
着物専用のコートなどを事前に準備しておくことが良い方法ですが、着物のときには手持ちの鞄が小さめなので、小さく折り畳むことができる手ぬぐいや薄いタオルのようなものを入れておくと便利です。